薬が少なかった時代と多すぎる時代


 薬については、日本では漢方薬だけの時代が明治時代の初期まで続き、西洋からの医薬品は幕末の蘭学の移入にともない蘭方医に使われ始め、明治時代に徐々に数を増やしていきました。消毒薬、梅毒治療のサルバルサンは画期的な医薬品でしたが、その後のサルファ剤の出現、第二次世界大戦のあとの抗生物質の登場で医薬品による特に感染症の治療は大きな成果をもたらしました。戦後、経済復興と国民皆保険制度の施行にともない日本の医療の質と規模は急速な発展を遂げました。医薬品の開発が盛んになり、それは恩恵をもたらしたと同時に深刻な薬害ももたらしました。ここでは現在、医療機関で使われている医薬品、つまり保険証なして薬局で買うことの出来る医薬品でない、 医師が処方する医薬品の数をしらべてみました。その数は成分名で約一千五百で、商品名で約1万でした。薬効別数を示します。